『みえるとか みえないとか』レビュー ちがいを「おもしろがる」絵本
ヨシタケシンスケさん作・伊藤亜紗さん相談による絵本『みえるとか みえないとか』は、宇宙飛行士「ぼく」が訪れた異星での出会いを通して、「目が見える/見えない」という違いをユーモアとやさしさで考えさせる一冊です。
「後ろにも目がある星の人たち」「目が見えない宇宙人」と触れ合う中で、自分の“当たり前”が相対化され、違いを楽しむヒントが得られます。
この記事では、本作の魅力や読み聞かせポイント、年齢別の反応について、保育や家庭での使い方とともに紹介します。

『みえるとか みえないとか』ってどんな絵本?
題名 | みえるとかみえないとか |
作 相談 | ヨシタケシンスケさん 伊藤亜紗さん |
発行所 | アリス館 |
- あらすじ
宇宙飛行士の「ぼく」が訪れた星では、後ろにも目がある宇宙人が暮らしており、「後ろが見えない地球人がかわいそう」と扱われます。さらに、目がまったく見えない宇宙人とも出会い、見ることの意味を考える展開に。視覚が違っても、“見えない世界”があることを知り、それぞれの持つ“当たり前”を楽しめるようになります。
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年齢別の反応|何歳から楽しめる?
- 4〜6歳
異星や宇宙人という“非日常”な設定に興味を惹かれつつ、「ぼく」に感情移入しやすい年齢。物語の問いかけに自然に応じてくれます。 - 小学低学年
「目が見える/見えない」という違いを理解し、「みんな違っていいんだ」と共感力を育める時期に適しています。 - 大人
「そうか、自分が“普通”なのは環境次第なんだ」と気づかされ、多様性について改めて考える作品として支持されています。
保育・読み聞かせにおすすめの理由
- やさしい語り口とユーモア
物語の中で「ヘンな気持ち」「クスッと笑える」表現がちりばめられ、重くなりすぎず違いに触れられます。 - 比喩としての宇宙設定がわかりやすい
異星の設定で「違う」を感じる構造が、視覚障がいや文化の違いへの理解をやさしく導きます。 - 多様性・共生の土台づくりに最適
相談者の伊藤亜紗さんによる助言が反映され、世界の見え方を考える題材として道徳教育にも活用できます。
読むときの工夫ポイント
- 問いかけを活用
例:「後ろに目があったらどうかな?」など対話を引き出す問いが効果的です。 - キャラクターの気持ちを声に載せる
「変な気持ち」「ヘンだな」と感じる心情を、表情と言葉で強調すると共感を引き出します。 - ワークショップにも展開可能
読後に「自分の“見えなくて困ること”は?」など、グループワークに発展させやすいです。
シリーズで楽しむのもおすすめ!
- ヨシタケシンスケ作品:
『りんごかもしれない』『もうぬげない』『なつみはなんにでもなれる』など、日常の気づきを描く絵本との相性がよく、共感ベースの絵本として継続読みに最適です。 - 伊藤亜紗さん関連作品:
『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)を読み、視覚の捉え方の背景を深めるのもおすすめです。
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まとめ ちがいを“おもしろがる”きっかけに
『みえるとか みえないとか』は、異星のキャラクターを通じて「ちがい」を考える絵本です。深刻になりすぎず、違いを笑い話にできる軽さと、問いかけを込めた構成は道徳教育にもぴったり。
ぜひ、家庭でも教室でも、親子や子どもたちとの対話の種として活用してください。
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