『100円たんけん』は、100円玉を持って子どもが街に探検に出かけるという、シンプルながら奥深いストーリーの絵本です。子どもがお金に初めて興味を持ち始める年齢にぴったりで、「100円で何が買えるのか?」を通して、ものの値段や選択の大切さを自然と学べます。
絵本の基本情報
- 書名:100円たんけん
- 作・絵:中川ひろたか(文)・岡本よしろう(絵)
- 出版社:くもん出版
- 発売年:2008年
- 対象年齢:4歳〜小学校低学年
あらすじ:100円玉を手にした男の子の冒険
主人公の男の子が、手にした100円玉を握りしめて、商店街へ探検に出かけます。「これで何が買えるかな?」とワクワクしながら、駄菓子屋さんやパン屋さん、八百屋さんなど、さまざまなお店を巡っていきます。
お菓子ひとつなら買えるけれど、ケーキは100円では買えない。パンは種類によって買えたり買えなかったり…。お店ごとに違う商品や値段を目にしながら、主人公は「100円の重み」と「選ぶ楽しさ」に気づいていきます。
絵と構成:身近な視点でお金の世界をリアルに描く
岡本よしろうさんのやわらかく温かみのあるイラストは、昭和レトロな街の風景やお店の様子を、どこか懐かしく、でもリアルに伝えてくれます。商品に貼られた価格シールや、お店のおじさん・おばさんとのやり取りなど、子どもにも親しみやすいディテールが満載です。
中川ひろたかさんの文章は、子どもの言葉に近い平易さが魅力。主人公と一緒に「これはどうかな?」と考えながら読み進められる構成は、読み聞かせにも最適です。
保育士目線のおすすめポイント
- 金銭感覚の入門にぴったり:100円という身近な金額から、買えるもの・買えないものの違いを体感できます。
- 選ぶ力を育てる:同じ100円でも選び方次第で楽しみが変わることを学べます。
- 生活との接点がある:お買い物ごっこや保育の「お店屋さんごっこ」の導入にも◎。
実際に家庭でも「100円で買えるものを探してみよう」と遊びにつなげることで、絵本の世界を日常に広げられます。
こんな家庭におすすめ!
お金に興味を持ち始めた4〜6歳の子に特におすすめ。数字やお金の学びが自然と生活の中に取り込めるので、知育絵本としても人気があります。お買い物体験の前に読んでおくと、実際の行動に対する理解も深まります。
まとめ
『100円たんけん』は、たった100円を手にしただけで、子どもの世界が大きく広がっていく――そんな体験を一冊に詰め込んだ絵本です。金銭教育の第一歩としてだけでなく、「考えて選ぶ」「価値を知る」といった学びにもつながるこの作品は、親子で繰り返し読みたい一冊です。
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