『どうぞのいす』(香山美子/作、柿本幸造/絵、ひさかたチャイルド/1981年刊)は、小さな「どうぞのいす」をきっかけに、動物たちの優しさが次々と交換されるあたたかい絵本です。読み聞かせを通して、思いやりや譲り合いの気持ちを育むためにぴったりの一冊。今回は、保育士視点で子どもの反応や読み方のコツも含めてご紹介します。
基本情報
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 書名 | どうぞのいす | 
| 作 | 香山 美子 | 
| 絵 | 柿本 幸造 | 
| 出版社 | ひさかたチャイルド | 
| 対象年齢 | 3歳〜(※1歳頃から楽しめる声かけ読みも◎) | 
| 発売年 | 1981年11月 | 
| 定価 | 1,100円(税込) | 
| 特徴 | 「どうぞ」の意思をこめた小さなイスが引き起こす、優しさバトンの交換劇 | 
📖 あらすじ
うさぎさんが「どうぞのいす」と書かれた小さなイスを木の下に置くと、
最初にやってきたろばさんは、ドングリの入ったカゴを置いて昼寝し、
次々にくま・きつね・りすたちがカゴの中の食べ物をいただくものの、
「からっぽにしてしまっては あとのひとに おきのどく」と言いながら、代わりの食べ物を置いていきます。最後に目覚めたろばさんは、カゴいっぱいの栗を見て驚く――という、優しさのリレーが繰り返される絵本です 。
👶 保育士目線:読み聞かせの反応
- 繰り返し表現への安心感
「どうぞならばえんりょなく」のリズムが子どもたちにも心地よく、言葉に合わせて声を出す姿がよく見られます 。 - 意図せぬ優しさへの気付き
子ども自身から「どうぞっていい言葉だね!」という感想が多く、「気の毒」の意味を問いかける場面が発生します 。 - 笑えるオチで自然な共感を実感
びっくりするろばさんの結末に、自然と笑顔や共感が生まれ、読後の満足感が高まります 。 
🌟 おすすめポイント
- 思いやりの連鎖をやさしく学べる
動物たちが代わりに食べ物を置く行為が「譲ること」をやさしく伝えます。 - ユーモアが苦くないアクセントに
さりげないオチが子どもの共感を高め、読後も楽しい余韻が残ります。 - 繰り返し構造が幼児に最適
リズム感のある文章は読み聞かせに向いており、子どももすぐに覚えます。 - 年齢を超えて長く親しめる一冊
文字読める年齢になっても、イラストと話の深みで成長に合わせて楽しめます。 
🔧 読み聞かせ・遊びの工夫
- 「気の毒ってどういう意味?」を対話に
絵本後の問いかけで、互いを思いやる心を育てましょう。 - 優しさバトン遊び
おもちゃ交換ごっこに「どうぞ」「ありがとう」を取り入れると楽しく学べます。 - 自分専用「どうぞのいす」を作ろう
家庭や教室で小さなイスやクッションに「どうぞ」の札をつけて、実体験に活かせます。 
👪 こんな方におすすめ
- 思いやり・譲り合いの大切さを育みたい家庭や保育環境に
 - 3歳〜の繰り返し絵本を探している方
 - ユーモアと優しさのどちらも読み聞かせに取り入れたい方
 
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✅ まとめ
『どうぞのいす』は、優しさの「連鎖」とちょっとしたユーモアがバランスよく詰まった絵本です。親子で声に出して読むことで、言葉・心・コミュニケーション力が育つおすすめの一冊。家庭や保育現場でぜひ取り入れてください。

  
  
  
  

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