【絵本レビュー】『おしいれのぼうけん』想像力と勇気を育む名作冒険絵本
作:ふるた たるひ・たばた せいいち / 絵:たばた せいいち / 出版社:童心社
項目 | 内容 |
---|---|
タイトル | おしいれのぼうけん |
作・絵 | ふるたたるひ・たばたせいいち |
出版社 | 童心社 |
発行年 | 1974年 |
対象年齢 | 5歳〜小学校中学年 |
ページ数 | 48ページ |
ジャンル | 冒険/友情/空想/ちょっぴりこわい |
📖 あらすじ(要約)
さくら保育園に通う子どもたちの中で、さとしとあきらの二人は先生に叱られて、「おしいれ」に閉じ込められてしまいます。
その暗くて狭い場所で、二人は不思議でこわい“ねずみばあさん”の世界に迷い込み、恐怖と冒険の物語が始まります。
協力し合いながらその世界から脱出する中で、二人の間に生まれるのは――友情と勇気。
日常と空想が交差する、子ども心のリアルが描かれた名作です。
👻 怖いけど読んでしまう…ねずみばあさんの存在感
本作を語る上で外せないのが、暗闇の中から現れる「ねずみばあさん」。
恐ろしい存在でありながら、想像の世界だからこその不気味さや不思議さが子どもたちの心をつかみます。
ちょっと怖いけどワクワクする――そんな読書体験が味わえる絵本です。
✨ 圧倒的な世界観と心理描写
実際の保育園での出来事をベースにしつつ、子どもの想像力が加わって物語が展開。
暗闇に対する怖さ、叱られたときの気持ち、不安と仲間の存在――どれもが丁寧に描かれており、大人が読んでも胸を打ちます。
画面構成も大胆で、まるで物語に引き込まれるような臨場感があります。
👩🏫 保育士から見たおすすめポイント
- 「怖いけど読みたい」を体験できる数少ない作品
- 勇気・仲間・感情を育てるテーマが豊富
- 保育現場での読み聞かせにもぴったり
年長児〜小学生には特に人気です。
🧠 読み聞かせの工夫
緩急をつけた声のトーンで読み進めると、物語の緊張感が伝わります。
「ねずみばあさん」のセリフでは少し低い声にしたり、間を取ることで子どもたちは物語にぐっと引き込まれます。
読み終わったあとに「きみだったら、どうする?」と聞くと、意外な発想が返ってくることも。
🔖 まとめ
『おしいれのぼうけん』は、怖さと楽しさ、想像と現実のはざまで成長する子どもたちの姿を描いた名作絵本。
一冊を通して、「勇気ってなに?」「本当のともだちって?」を考えるきっかけになります。
読み聞かせにも、自分で読むにも、長く読み継がれるにふさわしい1冊です。
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