夏にぴったりの絵本特集!年齢別、テーマ別で紹介
夏の自然や行事をテーマにした絵本は、子どもたちの心を豊かに育ててくれます。
今回は保育士であり、父でもある筆者が実際に読み聞かせをして反応が良かった「夏におすすめの絵本」を年齢別、テーマ別に紹介していきます。
読み聞かせや保育、親子時間にぜひご活躍ください。
0~1歳におすすめの夏絵本(3冊)
『きんぎょが にげた』(福音館書店)
家の中に逃げて隠れた金魚を探していくお話です。しっかりと隠れているわけじゃなく、簡単に見つけられるので小さい子にもおすすめです。
〇おすすめポイント
金魚を探し出す楽しさと、夏の水のイメージがぴったり!制作の導入や、壁面にも繋げられます。
『じゃあじゃあびりびり』(偕成社)
擬音がたくさんでてくるこの絵本は、夏の水音への導入にピッタリです。風の音や風鈴の音などに繋げれば興味を引くこと間違いなし!
〇おすすめポイント
水遊びや制作の時に、絵本に出てくる擬音を聞かせ繋げることで興味に繋がります。また、保育者が声に出して表現することで発声にも期待できます。
『がたん ごとん がたん ごとん ざぶん ざぶん』(福音館書店)
全体が言葉のリズムと言葉遊びで構成されており、小さな子どもでも反応しやすい内容になっています。
〇おすすめポイント
フレーズの繰り返し構成で、読み手も子どもも覚えやすく、繰り返し読むことで言葉の習得やリズム感が育ちます。
2~3歳におすすめの夏絵本(4冊)
『わにわにのおでかけ』(福音館書店)
大人気シリーズの1冊です。わにわにが夏の祭りを楽しむお話で、夏の雰囲気を味わえるお話です。内容も簡単なので、幅広い年齢で楽しめます。
〇おすすめポイント
屋台の雰囲気や花火の様子など、夏の経験に重ねながら読み聞かせをすることができます。また、短い文で構成されているので、小さい年齢から楽しむことができます。
『うみ ざざざ』(くもん出版)
お父さんと男の子が海辺に出かけ、太陽に照らされている光る白い砂浜を、足音を立てて歩きます。男の子が浮き輪を抱えて波に揺られる場面まで、夏の海の高揚感や感触がダイレクトに伝わってきます。
〇おすすめポイント
砂の「さくさく」、波の「ざざーん」「ざっばーん」海水の冷たさ…言葉だけで五感を刺激する表現が盛り込まれています。
ニュアンス豊かな青の重なりで描かれた波は、まるで本物の海をみるかのような臨場感があります。
『はなび ドーン』(童心社)
暗い夜空を背景に、ページをめくるごとに次々と打ちあがる花火が登場します。
「シューッ」「パーン」「ドドドドーン」などの擬音と共に、赤・黄・丸・星型などさまざまな形・色の花火が広がります。
〇おすすめポイント
ページいっぱいに広がるカラフルな大輪の花火は、子どもの視覚をしっかりとひきつけます。
『こぐまちゃんのみずあそび』(こぐま社)
大人気こぐまちゃんシリーズの作品です。水遊びの楽しさがギュッと詰まった可愛らしいお話です。
⚪︎おすすめポイント
耳心地のいい擬音と、イタズラを肯定するような優しい雰囲気でお話が進むポイントです。この季節ならではの遊びの楽しさを伝えることができます。
4~6歳におすすめの夏絵本(5冊)
『なつのいちにち』(偕成社)
夏の日、男の子がひとりでクワガタを探しに出かけます。
山や川を越えて、木に登り、やっと見つけたクワガタ。汗だくで泥だらけになりながらも大満足。たった一日の小さな大冒険です。
⚪︎おすすめポイント
夏の空気や音が絵から伝わってくる。セリフが少なく、想像がふくらむ構成。
子どもの挑戦と達成感が描かれていて共感しやすい。親子で夏の思い出を語りたくなる絵本です。
『とうもろこしぬぐぞう』(ポプラ社)
とうもろこしの「ぬぐぞうさん」が、葉っぱやひげを次々にぬいでいきます。
「ばりっ」「ぶちっ」と元気な音とともに脱いで脱いで…最後はすっぽんぽんになっておふろにドボン!見ていて気持ちいい脱ぎっぷりの絵本です。
⚪︎おすすめポイント
音やリズムが楽しく、子どもが笑顔になる。着替えやおふろが楽しくなるきっかけに。
絵が大きくて見やすく、読み聞かせにもぴったり。親子で「ぬぐぞう〜!」と盛り上がれます。
『セミくんいよいよこんやです』(教育画劇)
地中にいるセミくんに「今夜だよ!」と電話がきます。仲間に見守られながら、いよいよ地上に出て脱皮。
ぴかぴかの姿になって空へ飛び立ちます。セミの大切な一夜を描いたお話です。
⚪︎おすすめポイント
セミの羽化を楽しくやさしく知ることができる。虫が苦手な子にも親しみやすい絵とストーリー。
仲間に応援される姿が心あたたまる。夏や命の学習にもぴったりの絵本です。
『うみべのハリー』(福音館書店)
ハリーという犬が家族と海へ行きます。波に巻かれて海藻まみれになり、“海の怪物”に間違われて大騒ぎ。
でも最後はみんな安心して笑顔に。夏の海での楽しい出来事のお話です。
⚪︎おすすめポイント
絵がやさしくて見やすい。
ユーモアたっぷりで子どもが喜ぶ。
ドキドキとホッとする展開がある。
夏の海の楽しさを感じられる絵本です。
『ともだちやもんなぼくら』(えほんの社)
夏休み、ぼくたち3人はカブトムシを見つけます。その木は近所で怖がられているカミナリじいさんの家のものでした。
怒られた友だちを助けるため、勇気を出して戻ります。友情と勇気のお話です。
⚪︎おすすめのポイント
友情や勇気の大切さがよく伝わる。
関西弁で楽しく読める。
子どもが共感しやすい内容。
親子で読みやすい絵本です。
テーマ別で探す!海・虫・お祭りを感じる絵本
海・水遊びがテーマの絵本
『みず ちゃぽん』(童心社)
水が「ちゃぽん」「ぽたぽた」と音を立てるお話です。
水の動きや音をやさしい言葉で楽しめます。
絵もシンプルで赤ちゃんが見やすいです。
水の世界を感じられる絵本です。
⚪︎おすすめポイント
赤ちゃんが興味を持ちやすい絵と音。
リズムのある言葉が楽しい。
親子で読みやすく、遊びながら読めます。
水遊びやお風呂の時間にぴったりです。
虫・自然がテーマの絵本
『かぶとむしのぶんちゃん』(童心社)
夜になると土の中から出てくるカブトムシのぶんちゃん。メスのカブトムシを助けたり、乱暴なクワガタと戦ったりします。昆虫の生態をやさしく描いた物語です。
⚪︎おすすめポイント
昆虫好きな子どもにぴったりの絵本。生態や行動がリアルに描かれています。3歳から楽しめる内容で、親子での読み聞かせにも最適です。
お祭り・花火がテーマの絵本
『わんぱくだんのなつまつり』(ひさかたチャイルド)
わんぱくだんの3人が川で遊んでいると、お祭りの音が聞こえます。
不思議な神社のお祭りに参加して、動物のお面をもらいます。
雨乞いの儀式にも加わって、楽しい夏の一日を過ごします。
⚪︎おすすめポイント
夏祭りの楽しさが伝わる絵本。
動物のお面やお神輿で子どもが喜ぶ。
わかりやすい言葉で読みやすい。
親子で一緒に楽しめる内容です。
読み聞かせや保育にも!夏絵本の活用法
季節を感じる絵本で、子どもの感性を育てよう
夏は、子どもたちの五感が刺激されやすい季節です。絵本で夏の風物詩(海・虫・お祭り・花火など)を取り入れることで、子どもたちの体験や感情と結びつきやすく、物語への興味も深まります。
例えば、『なつのいちにち』では夏の冒険心、『はなびどーん』では花火の迫力や音に親しめるなど、絵本を通して「夏ってこんなに楽しいんだ」と感じるきっかけになります。
読み聞かせの時間が、季節の会話のきっかけに
絵本を読んだあとに「花火、見たことある?」「カブトムシ、触れる?」と声をかけるだけで、子どもたちとの会話がぐっと広がります。
保育現場でも、「海ごっこ」や「夏まつりごっこ」など、絵本の世界を再現した遊びへ発展させることができます。想像から遊びへつなげることで、絵本の余韻を長く楽しむことができ、子どもたちの表現力も育まれます。
年齢に応じた絵本選びで、より豊かな時間に
年齢によって楽しみ方はさまざまです。
- 0〜2歳:視覚的にわかりやすいもの・リズムが心地よいもの(例:『こぐまちゃんのみずあそび』)
- 3〜5歳:共感できるストーリーや夏の冒険が描かれたもの(例:『すなばばば』『なつのいちにち』)
- 5〜6歳以上:ストーリー性やユーモアのある作品(例:『いちにちじごく』『おにのおふろや』)
年齢や発達段階に合わせた絵本を選ぶことで、子どもたちがより深く物語に入り込むことができます。
まとめ 夏絵本で子どもと季節を楽しもう
夏は、子どもたちにとって特別な季節です。海や虫取り、おまつりや花火など、日常の中にわくわくがあふれています。そんな夏の体験を、絵本の世界と結びつけてあげることで、子どもたちの心の中に「季節の記憶」としてしっかり残ります。
絵本は、ただ読み聞かせるだけでなく、会話や遊び、感情の共有へと広がる“きっかけ”にもなります。
「今日は水遊びしたね」「この前見た花火とおんなじだね」と、絵本を通じて親子の時間や保育の中に、ささやかな季節の楽しさを取り込んでみてください。
夏絵本は、子どもの感性を育てる最高のツールです。
ぜひこの季節だけの一冊に出会い、子どもと一緒に“夏を楽しむ時間”を味わってみてくださいね。
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